【 羽 黒 山 】
414m
2021_07_26 累積登降差 : +432m -432m 歩行距離 : 8.9km 所要時間 : 4時間47分
[随神門南P]09:30→09:36[随神門]→09:44[神橋]→09:51[五重塔]→10:01[一の坂下]→10:18[二の坂下]→10:26[二の坂茶屋]10:34→10:47[三の坂下]→11:10【 羽黒山頂境内 】11:52→12:09[三の坂下]→12:24[南谷(戻)]→12:32[三の坂下]→12:51[二の坂下]→13:01[一の坂下]→13:05[五重塔]→13:14[神橋]→13:19[随神門]→13:46[黄金堂(戻)]13:52→14:17[随神門南P]
★ 今年は丑年御縁年であり、また、先日の月山での御導きもあったので、今年は出羽三山すべてを参拝する事に決めた。先ずは入口となる羽黒山(出羽神社)に参詣する。
★ 羽黒山には何度か来ているが、随神門から2446段の石段を登るのは初めてである。山頂に直接車で行けるので、これまではどうしても楽をしてしまっていた。最初に羽黒山に行ったのは確か1963年、五重塔がまだ国宝になる前で、塔の内部を見た記憶がある。その時は山頂には行かなかった。
★ 羽黒山詣は登山という範疇には入らないだろう。庶民の山岳信仰による参詣と捉えられるもので、宗教ともまた違うし、正月の元日詣と同じようなものだが、神仏なのか自然崇拝なのか、何れにせよ崇める気持ちは子供の頃から強く身に付いている。今回の山行記録は山そのものでなく、社寺堂塔といった文化財が中心の写真となっている。実は私は文化財を多少かじっており、東北地方を中心に重要文化財や重要伝統的建造物群保存地区などは殆ど訪れており、山と同様のWebサイトを持ちたい程である。
★ 羽黒山(出羽三山)と言えば松尾芭蕉の「奥の細道」も忘れられない。今回は『有難や雪をかほらす南谷』の南谷も訪れた。因みに「奥の細道」も江戸深川(江東区常盤)から結びの地大垣(岐阜県)まで、逗留地や縁故地は殆ど訪れている。もちろん「奥の細道」にも行った事がある。ついでに言うと、東北地方の温泉にも精通しており、何れもWebサイトを出せる程と自負している。
★ 自慢話が過ぎたが、話を羽黒山に戻そう。羽黒山(出羽三山)と言えば廃仏毀釈の黒歴史を避けては通れない。出羽三山は元々は神仏習合でも仏教色が強い修験道の山だったが、神仏分離令に端を発した廃仏毀釈が吹き荒れ、寺院や仏像は悉く破壊された。恐らく日本一苛烈だったのではなかろうか。出羽三山で見る仏像(石仏)は殆どが首無し仏像である。首がある仏像をよく見ると、後に胴体に接着されたものである。そんな中、五重塔が残ったのは僅かながら救いである。私見だが、首無し仏像は首無しのまま、「八紘一宇」碑もそのまま隠さずに見せて欲しい。それが歴史の事実だからである。
★ 羽黒山から下山後、手向の宿坊街を歩いて正善院黄金堂まで行って来た。冠木門、注連縄、引綱など、趣のある街並みは重伝建に指定されても良いように思う。重要文化財の黄金堂は宝形造の美しい仏堂。この御堂も廃仏毀釈の難を逃れた貴重なもの。観光地化された羽黒山と違い、何時も静かなのが良い。