【 東 補 陀 落 】
≈1164m(東補陀落) ≈1446m(御田原神社=最高点)
2021_10_14 累積登降差 : +510m -510m 歩行距離 : 6.2km 所要時間 : 6時間9分
[八合目P]08:38→08:53[御田原神社]→08:58[剣ヶ峰分岐]→09:45[剣ヶ峰]→10:13[傾斜草原]→10:48【 東補陀落 】11:38→12:33[傾斜草原]12:46→13:26[剣ヶ峰]→13:58[剣ヶ峰分岐]→14:14[オゼコウホネ池]→14:30[御田原神社]→14:47[八合目P]
★ 東補陀落(ひがしふだらく)は月山にある出羽三山信仰(修験道)の聖地で、八合目御田原神社(弥陀ヶ原)の北北東に在る。国土地理院地形図にはその下の御浜池までの道が記載されている。丑年御縁年の締括として参拝してきた。時期的にはもう少し紅葉が進んだ10月20日頃が良さそうだが、雪が降ってしまうと面倒なので今日行って来た。なお、補陀落とは、Wikipediaに依れば観音菩薩の降り立つ伝説上の山だそうだ。
★ 東補陀落へは八合目御田原神社から弥陀ヶ原の遊歩道を東に行ってすぐ左に分かれるのは知っていた。で、道なりに進んで行くと窪地に出た。左手には削られた崖が連なっている。どうもおかしい。地形図を取り出して見ると、こんな所に道は無い。だが分岐らしい所は無かったと思いながら戻ってみると、木道から僅か10m程して右に薄い踏み跡が見えた。そこが剣ヶ峰を経て東補陀落に至る道だった。
★ 道は、マイナーコースにしてはよく整備されていた。恐らく毎年半分ずつ刈払をしているのか、前半は綺麗に、後半は少し藪立って刈られていたし、湿地には簡単な木道も見られた。剣ヶ峰からの降りには鉄梯子が在ったし、急坂にはロープが敷設され、この季節では危険な場所は無かった。ただ、東補陀落周辺は藪が濃く、複雑かつ特徴のない地形で、元来た道を失う恐れがあり、位置の把握には十分な留意が必要。
★ さて、東補陀落は噂通りの御秘所だった。大きな岩塔が2塔あり、その周りに幾つもの岩塊が立ち並んでいる、あまり例を見ない光景の場所だった。岩は鉄平石のように薄い板状に割れて崩れやすく(板状節理)、乗っていて安定しないばかりか、岩塊が崩落した痕跡も見られて、歩き回っては危険な場所ではあった。また周囲が見通しの利かない半灌木の藪なので、いつ熊が出て来ても不思議ではなく、私の様な単独行がゆっくり居られる場所ではなかった。
★ 東補陀落の岩場でこれまで見た事の無い花があった。帰ってから調べたらベンケイソウ(弁慶草)だった。一般に園芸店で売っている栽培種でなく日本産の自生種で、葉の互生が特徴と云う。月山のメインルートでは見られない、さすが東補陀落。そう言えば、途中アオダイショウを見た。我が家にも居るので、あまり深山には居ないものと思っていたが、それだけ出羽三山が人との関わりが濃い顕れだろう。蛇と言えば、湯殿山神社の・・・、おっと、語るなかれ、聞くなかれ。
★ 今回は御浜池へも行く予定だったが、降り口が良く分からなかった。それらしい踏み跡も在ったのだが、時間的にも次回と言う事にした。卯年御縁年(月山の年)の再来年には再訪したい。なお、月山に東補陀落が在ると言う事は西補陀落も在る。西補陀落は雨告山(あまもりやま)近くの沢にあると云う。